【日本がん免疫学会共催】
がん免疫治療の最新研究紹介
T細胞を高品質に保ち続けることががん免疫治療効果を向上させる
― 茶本 健司
がん免疫治療の主役はキラーT細胞である。しかし、老化や生活習慣、がん治療によってT細胞が傷つき治療効果が減弱することがわかってきた。T細胞の品質を高く保つためには、T細胞内のミトコンドリアを元気にし、代謝状態を良くする必要がある。本セミナーでは、がん免疫治療の効果を最大限に引き出すため、免疫の代謝バランスを考えた最新の研究を紹介する。
がん免疫療法の実際― 吉村 清
がん免疫療法が、がん治療の通常診療として使用され始めたきっかけは、免疫チェックポイント阻害剤が開発されたことです。世の中に大きなインパクトを与えました。現在様々ながん種で、身近な治療として用いられています。その他のがん免疫療法を含めて、他のがん薬物療法との違い、特性、有意な点あるいは問題点さらには、現在注目されていること(腸内細菌との関係など)を含めて、コンパクトにわかりやすくお伝えしたいと思います。
講演者

2006年に北海道大学大学院で博士(医学)を取得後、同大学助教を経て、ハーバード大、オンタリオがん研究所でポスドクとして研鑽を積む。2015年より京都大学で本庶佑研究室の助教としてがん免疫研究に従事し、2023年より同大がん免疫PDT研究講座の特定教授。専門は腫瘍免疫、免疫代謝、自己免疫を中心とした免疫関連疾患。

1993年 山口大学医学部卒業後、同消化器・腫瘍外科学に入局。同大学院にて医学博士取得後、2002年より ジョンズホプキンス大学腫瘍科・外科に留学。同大学アシスタントプロフェッサーを経て 帰国し、国立がん研究センター中央病院 先端医療科医長/先端医療開発センター免疫療法開発分野(築地) 分野長を経て、2018年より 昭和大学臨床薬理研究所 臨床免疫腫瘍学部門 教授/昭和大学医学部 内科学講座腫瘍内科学部門 兼担教授、2025年 4月より学名変更で昭和医科大学となる。
司会者

慶應義塾大学卒業後、日経ホーム出版社(現・日経BP)で女性誌の編集に携わり、フリーランスに。雑誌やウェブ、書籍で、医療・健康分野や科学関連の記事の編集・執筆を行う。2014年、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。