【一般社団法人 食道がんサバイバーズシェアリングス共催】
食道がん(〜17:00)動画

8月22日(日)16:1517:00 第1会場

汎がん「血中がん由来DNAの検出と追跡」 – 西塚 哲

がん治療後の検査で「早期再発検出」、「治療効果判定」、「無再発確証」に関する情報は重要である。岩手医大附属病院では23種類300人以上の進行がん患者さんを対象に、血中がん由来DNAを検出し追跡する研究を行っている。血中がん由来DNAは従来の画像診断や腫瘍マーカーよりも高感度であり、速やかな実用化を目指している。

食道がん超高感度治療後ナビゲーション – 岩谷 岳

がん治療後の状態をどのように評価するかは重要な課題である。食道がんで検出される遺伝子変異をマーカーとして、採血のみで画像診断よりも早く再発を検出する超高感度マーカーを開発した。本マーカーは食道がんの治療に重要な「早期再発検出」や「治療効果判定」のみならず、長期間無再発の場合に「無再発確証」という情報を提供する。

講演者

西塚 哲 ( にしづか さとし )
岩手医大医歯薬総合研究所 医療開発研究部門・特任教授

外科医として修練後、米国で10年以上バイオマーカー開発研究に従事。2019年、血中がん由来DNAの超高感度測定のためにデジタルPCR法の専用プローブを世界で初めてライブラリー化した。このライブラリーにより、遺伝子変異が確定したがんであれば速やかに血中がん由来DNAを測定することができる。研究成果を社会に還元するため、2021年株式会社クオントディテクトを設立。趣味は北上川沿いのジョギング。

岩谷 岳 ( いわや たけし )
岩手医大学 外科学講座分子治療研究室・准教授

岩手医大外科・病理、九州大学別府病院にて食道がんを中心とした消化器がんの診療と研究に従事。ライフワークである食道がんの遺伝子異常の研究から、バイオマーカーとして血中DNAを実用化することを目指してきた。食道がん患者血中DNAに対する超高感度測定を行った最近の研究から、進行食道がんの治療後ナビゲーションに役立てるシステムを確立した。趣味は映画鑑賞と旅行。

司会者

髙木 健二郎 ( たかぎ けんじろう )
一般社団法人 食道がんサバイバーズシェアリングス  代表理事

2012年3月に胸部食道がんステージ3が発覚。抗がん剤治療後に食道亜全摘再建術を施術。左反回神経麻痺など後遺症も残るが再発も無く今年10年目を迎える。「食道がんには本格的な患者会が無い」という食道専門医からの指摘により2020年7月、一念発起し食道がん患者支援団体を設立し、患者会「食がんリングス」を展開中。2021年4月には「ERCC2021」と名打った食道がん啓発キャンペーンも実施。患者の輪を拡げるべく活動しています。