【一般社団法人日本小児血液・がん学会 / NPO法人日本小児がん研究グループ共催】
小児がん(〜11:45)動画

8月21日(土)10:0011:45 第3会場

初めのご挨拶 – 大賀 正一

小児がんの新規治療 – 今井 千速

小児がんの治療成績は、抗がん剤、手術、放射線治療、造血細胞移植などの進歩により着実に向上してきましたが、現在の標準的治療でも治せない患者さんに対しては、まったく新しい治療法の導入も考えなくてはなりません。本講演では、日本の白血病治療にすでに導入されているCAR-T細胞療法や抗体医薬などの新規医療について紹介します。

小児がん治療につながるゲノム医療 – 滝田 順子

がん細胞に生じているゲノム異常に見合った治療の選択が増えています。しかし小児がんの患者さんにおいてゲノム医療を進めるには、いくつかの課題があります。小児がんのゲノム医療の現状と将来展望をわかりやすく解説します。

AYA世代の課題とこれから – 大園 秀一

AYA世代(15~39歳)においては、小児期にがんを克服した者たちの「サバイバーシップ」の問題と多様ながん種からなる「AYAがん」が大きな問題です。その課題と克服に向けた取り組みを模索し、解決策を共に考えてゆきます。

Q&Aセッション

講演者

大賀 正一 ( おおが しょういち )
九州大学大学院医学研究院成長発達医学 教授/ 日本小児血液・がん学会 理事長

1984年山口大学卒業後、九州大学小児科入局。その後、同院周産母子センター助手、総合周産期母子医療センター准教授、周産期小児医療学講座教授、山口大学小児科学教授を経て2016年より現職。2018年より日本血液学会理事、2020年より日本小児血液・がん学会理事長。専門は小児血液学、免疫学。

今井 千速 ( いまい ちはや )
新潟大学医歯学総合病院 小児学  病院教授

1993年新潟大学医学部卒。2001年に渡米し、米国セントジュード小児研究病院で白血病の新規治療の基礎研究に従事。2005年に帰国、2020年より現職。2021年よりJCCG理事。米国留学中に開発した‘CD19を標的としたキメラ抗原受容体(CAR)遺伝子’が、チサゲンレクルユーセル(世界初承認のCAR-T療法)で用いられています。自分の研究成果が直接患者さんに役立っていることは望外の喜びです。

滝田 順子 ( たきた じゅんこ )
京都大学大学院医学研究科 発達小児科 教授

東京大学小児科を経て、2018年7月から京都大学大学院医学研究科発達小児科教授に就任。2020年から日本小児血液・がん学会副理事長。小児がんの臨床を行う傍ら、小児がんの克服を目指して、ゲノム・エピゲノム解析を両輪で進めています。近年実装された小児がんのゲノム医療の推進にも尽力しています。

大園 秀一 ( おおぞの しゅういち )
久留米大学小児科 准教授

1995年宮崎大学卒業。久留米大学小児科に入局。 小児血液・腫瘍患者と家族のQOL向上に貢献するため、広島大学精神科とカナダ子どもホスピス・カナックプレイスにおいて研鑽を積みました。 2010年からNPO法人にこスマ九州の理事を務め、小児がん経験者のピアサポート活動を応援しております。将来の夢は子どもホスピスを作る事。夢に向けて一歩ずつ歩む小児科医です。

松本 公一 ( まつもと きみかず )
国立成育医療研究センター 小児がんセンター長/日本小児がん研究グループ理事・広報委員長

1987年名古屋大学卒。名古屋第一赤十字病院で、造血細胞移植の黎明期の医療に携わる。1994年、米国フレッドハッチンソンキャンサーリサーチセンターに留学し、移植免疫を学ぶ。その後、名古屋大学、トヨタ記念病院を経て、2002年に再び名古屋第一赤十字病院に勤務。2013年から国立成育医療研究センター小児がんセンター長となり、現在に至る。専門は、小児造血細胞移植と神経芽腫、小児がん医療提供体制整備。