クロージングセッション:どこへ向かう日本のがん医療?

“混迷を深める日本のがん医療。私たちの選択は?”

8/7(日) 16:00-16:50 コングレスクエア日本橋 ホールA+B

これまで30年以上、日本人の死亡要因の第一位は悪性新生物(がん)であり、今や日本人の2人に1人が、がんに罹患し、年間罹患者数は100万人に及ぶと言われています。
 昨年2015年のクロージングセッションでは、がん領域における有害ながん医療情報、医療費の高額化、臨床試験(治験)の空洞化、がんに対する誤解や偏見、がんに関わる就労・教育など社会的課題などについて討議しました。
 2016年のジャパンキャンサーフォーラムのクロージングセッションでは、更にこれらの問題、課題を掘り下げるとともに、免疫チェックポイント阻害剤といった新規薬剤の登場、これに伴う医療保険制度への影響など新たな問題も生じてきています。
 このセッションでは、それぞれの領域において活躍する方々をお招きし、その問題の共有と提言をお話し、議論頂き、Japan Cancer Forum2017に向けてクロージングセッションとの位置づけでお届けします。

パネリスト
勝俣 範之

勝俣 範之(かつまた のりゆき)

日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科 部長

2011年10月より、20年間務めた国立がん研究センター中央病院を退職し、日本医科大学武蔵小杉病院で、腫瘍内科を立ち上げた。がん患者さんのための理想のがん診療を目指し、「がん」という病気を通して、患者のための医療とは?国民のための医療とは?人間のための医療とは?を考え Blog、TwitterやFacebookを通し、発信している。近著に「医療否定本の嘘」(扶桑社刊)がある。

 

藤原 康弘

藤原 康弘(ふじわら やすひろ)

国立がん研究センター中央病院 副院長(研究担当)

1984年広島大学医学部卒。国立がんセンター研究所 薬効試験部 研究員。1992年広島大学 病院 総合診療部(第2内科)助手。1997年国立衛研 医薬品医療機器審査センター・主任審査官、 審査管理官として新薬承認審査に従事。2002年国立がんセンター中央病院 医長。2007年同 病院 臨床検査部長。2008年臨床試験・治療開発部長。2010 年同病院 副院長(経営担当)兼 乳腺科・腫瘍内科科長。2012年国立がん研究センター 執行役員・企画戦略局長、現在に至る。

 

saijo

長谷川 一男(はせがわ かずお)

NPO法人肺がん患者の会 ワンステップ!代表

長谷川一男。神奈川県在住。45歳。39歳で肺がん発症。ステージ4。
現在7年目に入り、治療継続中。NPO法人肺がん患者の会 ワンステップ!代表。会が大切にしていることは「分かち合い」と「知って考える。」
2ヶ月に1回のペースでおしゃべり会開催。HPとブログにて、様々なテーマで情報発信しています。全国の肺がん患者会の連合組織である「日本肺がん患者連絡会」所属。代表。日本肺癌学会と連名で要望書を厚生労働省に提出するなどの活動も積極的に行っています。

 

大橋 靖雄

大橋 靖雄(おおはし やすお)

中央大学理工学部 教授

1954年福島市に生まれる。東大工学部卒業後、同助手から医学部へ移籍、中央医療情報部講師・助教授を経て1990年から保健学科疫学教室教授、東大医学系研究科公共健康医学専攻教授を歴任し現職。専門は生物統計学とくに臨床試験のデザインと解析、研究者主導研究の支援をミッションとするNPO日本臨床研究ユニットを設立(データセンターと事務局部門はその後ジェイクルーズ社として会社化)。他にNPO日本メディカルライター協会、一般社団日本保健情報コンソシウムを設立。日本計量生物学会会長、日本臨床試験学会代表理事、スタツトコム株式会社会長。財団法人日本科学技術連盟にて社会人に対する臨床試験関連セミナーを主催。リターンツーフォーエヴァー、セシルテーラー、穐吉敏子オーケストラ、AEOCの日本初演を二十歳くらいに聞いたのが自慢、今は文楽に凝る。大震災被災住民支援プロジェクト「きぼうときずな」を主催、新たなコミュニティー・地域医療システム作りへの貢献を模索中。

 

関原 健夫

関原 健夫(せきはら たけお)

日本対がん協会 常務理事

1945年生まれ。京都大学法学部卒業。61年日本興業銀行(当時)のニューヨーク支店に勤務していた39歳のとき大腸がんとなり、摘出手術を受ける。その後、肝転移と計6回にも及ぶ手術を受けるも、がんを克服し、金融業界の最前線に復活。役職を歴任し、みずほ信託銀行副社長、日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社取締役社長を経て現在、日本対がん協会常務理事。数社の社外役員。中医協(中央社会保険医療協議会)公益委員の外医療関係の政府委員。「がん対策推進協議会」委員として現行の「がん対策基本計画」作りに参画。2001年、闘病記「がん六回 人生全快」を刊行(現在、講談社文庫)。2009年には「NHKスペシャルー働き盛りのがん」としてドキュメンタリードラマ化。

 

鈴木 美穂

鈴木 美穂(すずき みほ)

日本テレビ報道局社会部記者(厚生労働省担当)
NPO法人maggie’s tokyo 共同代表理事
乳がん経験者
若年性がん患者団体STAND UP!!副代表

2006年慶応義塾大学法学部卒業。同年日本テレビに入社。駆け出しの記者として飛び回っていた2008年、24歳のときにステージⅢの乳がんが見つかり、同年5月から8ヶ月休職して闘病。手術、抗がん剤、ホルモン治療、放射線、分子標的薬と治療のフルコースを経験。休職中、若くしてがんになった仲間が欲しくて若年性がん患者団体STAND UP!!を立ち上げる。復職後は報道記者として、がん関連の取材や番組制作にも力を入れる。また、本業の傍ら、2015年には英国生まれのがん患者と支える人たちが自分の力を取り戻す場maggie’s centresを日本に、まずは東京に実現させるために看護師の秋山正子氏らとともにNPO法人maggie’s tokyoを発足、今年10月には日本で初となるmaggie’s centreを東京・豊洲にオープン予定。がんを経験した人が少しでも生きやすい社会にするために公私ともに奔走している。

 

丹藤 昌治

丹藤 昌治(たんとう まさはる)

厚生労働省健康局がん・疾病対策課 がん対策推進官

京都大学工学部卒。広島大学医学部卒。東京医科歯科大学臨床研修プログラム終了後、厚生労働省に入省。大臣官房、健康局、保険局で勤務の他、環境省、島根県、国立国際医療研究センターに出向するなど、医療行政全般に携わる。2016年4月より現職。

司会
橋本 佐与子

橋本 佐与子(はしもと さよこ)

MBS毎日放送 報道局記者

1995年MBS(TBS系列)入社。大阪府庁担当などを経て医療取材担当。臓器移植から小児の病気、食物アレルギー、再生医療など取材分野は多岐にわたる。しかし「がん」の取材だけなぜか縁遠かった。そんななか実父の胃がんが判明。同時期、MBSがん検診啓発キャンペーン「JUMP OVER CANCER」プロジェクトのチーフディレクターに。公私共に「がん」と向き合う。科学的根拠のある最新情報の発信をめざして日々勉強中。夕方ニュース番組「VOICE」キャスター(2000年~2007年)